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まどか

Author:まどか
主にミステリーが好きで色々読んでいます。特に好きな作家は東野圭吾、横山秀夫、奥田英朗、伊坂幸太郎です。

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訪問ありがとうございます。 読んだ本の感想を随時アップしていきます。ミステリー以外のものについてはネタバレしているものもあります。記事の冒頭に記入しているのでご注意ください。 気軽にコメントいただけると嬉しいです。
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2009.09.24 Thu 15:54
果断 隠蔽捜査2

評価:☆4.5

降格された竜崎の言動がさらに痛快な続編

前作「隠蔽捜査」で家族の不祥事により、
警察庁長官官房の総務課長から大森署の署長に異動になった竜崎。
それまでとは全く違う職場でも相変わらずの信念を貫きながらも、
役人でなくなったことである意味自由になった彼の言動がなかなか痛快。

立場こそ差が出来たものの、
前回借りのある同期の伊丹をうまく使って自分の仕事をやり易くするところなど、
読んでいてつい「いいぞ、竜崎!」なんて思ってしまいました。
伊丹との絡みは個人的に好きです。

事件そのものはそれほど大きなものではないのですが、
現場だからこその諍い、軋轢、葛藤、
そしてそれにも惑わされず己の信じた道を貫く竜崎は、
やはり変わらずかっこよかったです。

家族の問題が絡んでくるところなども今野さんの作品には多い見所のひとつで、
色々な要素がバランスよく組み込まれているので飽きずに読めるのだと思います。
こんなに分かりやすくて、読みやすく、良く出来た警察小説は
なかなか出会えないかもしれません。
シリーズ3作目も発売されたので、もちろん読んでみようと思います。


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2008.08.09 Sat 20:02
毒物殺人

評価:☆3.5

STシリーズ第二弾。
警察組織内でなかなか認知されない科特班に「廃止説」が囁かれ始める。
「STが役に立つということを証明するチャンスを逃すな」
と上司に発破をかけられた百合根は、
5人の面々を引き連れて背水の陣で毒物殺人事件に挑む。

その事件の背後に浮かんできたのが自己啓発セミナー。
そこに通っているひとりに女子アナがこの物語の鍵を握ります。
華々しい世界で活躍する職業に誇りを持っている彼女だが、
やはり心のどこかに「誰にも本当の自分を理解してもらえない寂しさ」を持っており、
その弱さがゆえに宗教的セミナーへとのめりこんでしまう・・・。

とまぁ、どこかで読んだことあるような、ないような、
いわゆる「ありがちな話」です。
テーマは人間の心の奥に潜む弱さ、でしょうか。

今回は前作ほどのハラハラ感はなく、正直先が読めます。
オチも犯人にもちょっとイライラ感が募りますが、
STの面々のキャラは嫌いではないので、
次作も読もうかどうしようか非常に悩んでます・・・。



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2008.08.07 Thu 22:24
ST 警視庁科学特捜班

評価:☆4

こちらのシリーズも良いと聞いていたのですが、
なかなかユーモアの溢れるエンターテイメント小説でした。

ST-科学特捜班を構成するメンバー5人それぞれが特異な能力を持っており、
その個性的な面々を率いるのが真面目で気の弱い百合根警部。
捜査一課の刑事と折り合いの悪いSTにハラハラしながらも、
辛抱強く彼らを信じて科学捜査に臨んでゆく。

それぞれのスペシャリストの個性がとても豊かで面白いのですが、
中でも今回の主役はプロファイリングの天才・青山。
事件現場の些細な手がかりや関係者の言動を元に犯人の心理を読んでいく様が
とても小気味よくて唸らされます。

しかし、彼はなかなかの曲者で「焦らし屋」です。
おそらくは何か重要なことを掴んでいるものの、簡単にはそれを語ろうとしません。
ギリギリまで引っ張ります。
「だから何?早くおしえてよ!」と思いますが、
このヤキモキ感もこれもおそらく筆者の作戦通りなのでしょう。

私はこんな風に、
スペシャリストの集団がそれぞれの能力を生かして事件を解決するような話は
もともと好きなほうなので、まぁ楽しんで読めました。
しかし、ちょっと現実離れしてる感は否めません。
横山秀夫などシビアな警察小説を想像して読むと少々がっかりするかも。



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「隠蔽捜査」 今野敏
2008.07.31 Thu 11:20
隠蔽捜査

評価:☆4.5

最初のほうはわりと地味な話だなぁ、と思いながら読んでいたら、
物語が動き出す中盤あたりから登場人物の魅力がじわじわと発揮されてきて、
読み進めば進むほどページを捲るスピードが上がっていきました。
気づけば時間が経つのを忘れて深夜に・・・。

主人公の竜崎は警察庁の官僚、いわば"役人"。
キャリア、またはエリートとも呼ばれる地位にいるこの男、
「自分は国家を守るために身を捧げるべきだ」という信念を持っている。
そのため家庭は一切顧みず、頭の中は寝ても覚めても仕事のことばかり。
最初はなんだか嫌な奴が主人公だなぁ、という印象を持ちます。

警察組織を揺るがす大事件が勃発し、更に竜崎の身内にもスキャンダルが発覚、
その時竜崎が頼りにしたのは彼が最も忌み嫌っている幼馴染の伊丹刑事部長だった。
タイプが全く違い相容れない二人が、官僚として、男として、父親として、
巨大な組織に立ち向かい戦おうとする姿に心が痺れます。
ただのお堅い役人だと思っていた竜崎の人間味が徐徐に前面へ出てきて、
且つ伊丹との間にも新たな感情や関係が芽生えてくるあたりが見所。
最初と最後で竜崎のイメージはガラっと変わり、作者にやられたな・・・と思います。

組織にとって大事なことは何か?また、正義とは何か?
私は女なので、客観的に"かっこいいなぁ・・・"なんてのんびりした感想も持つのですが、
社会で戦う男の人の胸にはグっと突き刺さる作品かもしれません。
あくまで警察小説ですが、
会社などの組織に属する人にとっては何かしら考えさせられる点があるのでは。



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2008.07.16 Wed 15:07
ビート

評価:☆4.5

樋口シリーズの第三作にして最高傑作!
前二作とはまた少し雰囲気が違うのですが、
それでもやはりここで描かれるのも「家族のあり方」。
それまで樋口がコンビを組んだ氏家とはまた違ったタイプの刑事・島崎洋平が登場します。
彼は真面目で出来のいい長男と不良になってしまった次男、二人の息子の父親。

その島崎が捜査している銀行の行員・富岡に、長男が捜査の情報を漏らしてしまう。
それをネタに、富岡は更なる情報提供を求めて島崎を脅す。
それを知り「情け無い」と感じた次男の英次が、
彼の父親のため、兄のために、取った行動とは・・・・。

「どうせ、俺は家族の余計者だ。そして、余計者にしかできないことがある。」

家族のはみ出し者として生きてきた英次、それを見てみぬふりをしてきた家族。
そんな英次が自分や長男のために何か行動を起こすとは、島崎は夢にも思っていなかった。

自分の進んできた道こそが「正しい」と信じるがあまり、
息子の気持ちに気づいてあげようとしなかった父親。
子供にもそれぞれに意思があり、たとえそれが親の描いた理想とは違っていても、
きちんと尊重してあげなければならない。

毅然としていることだけが父親らしさではないのだと、
樋口との関わりの中で気づき始める島崎。
そして、その樋口の慎重な行動や観察眼が、事件を、島崎を、"真実"へと導いていく。
彼の優しさや繊細さが、今回もまた悲劇を救おうとするのだ。
正直、ちょっとインパクトが弱い主人公だと思っていましたが、
今回は文句なしに「かっこいい」です。

これ一冊だけでもぜひ読んでください!と言いたい作品なのですが、
やはり樋口に愛着を持っていただくだめにも、シリーズ一作から読んでみることをお勧めします。
面白さは保証します!



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2008.07.15 Tue 19:16
朱夏


評価:☆4


「リオ」と続けて読みました。
こちらでは、樋口の妻・恵子が何者かに"誘拐"されるという事件が起きます。
そこで彼は独自の捜査を行う決断をするのだが、
助けを求めたのはやはり前回コンビを組んだ荻窪署の氏家。

しかし、犯人探しのミステリーではありません。
二人は前回同様、心の闇を抱えた犯人の深層心理に迫っていき、
被害に遭った恵子もまた、彼女なりに顔の見えない犯人のベールを剥がそうと試みます。
樋口と氏家の視点、恵子の視点、それぞれから浮き彫りになっていく犯人像。
それぞれが考える"家族"のあり方―
ここでもまた、夫婦の絆や親と子の繋がりがテーマにされています。

心のバランスを保つために、人は誰でも少しくらい強がって生きている。
裏の顔があって初めて表の顔が存在するのかもしれない。
まさに"表裏一体"だ。

この犯人だって実際そうやって世の中を生きていたのだが、
そうしなければいけなかった理由は明らかに育った家庭環境にあった。
間違った教育が歪んだ心を形成してしまう、その恐ろしさと悲しさ・・・
二作続けて深く胸に突き刺さりました。



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2008.07.13 Sun 22:32
リオ


評価:☆4

こちらもミステリーファンの中で話題になっていたので読んでみました。
とにかくものすごく読みやすい警察小説です。
多少そちらに抵抗がある方にも気軽に手に取っていただきたいです。

主人公の樋口は、警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
自分に自信がなく他人の顔色ばかり窺って生きているのに、
なぜか周囲の評価と期待が高いことに違和感を感じている。
職場を離れれば、ちょっと頼りなさげなマイホームパパ。
つまり、どこにでもいそうなキャラクターなのです。

彼とコンビを組むのが、
荻窪署生活安全課に属する自由奔放な"独身貴族"の氏家譲。
年齢はあまり違わないのに生き方も考え方も全く違う二人。
お互いが相手の心を探りあいながら少しづつ理解を深めていく過程が
警察小説独特なシビアな雰囲気の中に温かさをもたらしています。
この人は人間を書くのが上手な作家さんだなぁ、と感じました。

タイトルの「リオ」とは、事件の容疑者となった少女の名前。
樋口の娘と同世代の彼女の心を、彼らはいかにして開かせ、理解するのか。
このあたりもこの作品の見所だと思います。
子供に対する親の教育の難しさにも触れており、
女性として、いつか母親になるであろう身として、考えさせられる点が多くありました。

ミステリーを読むぞ、警察小説を読むぞ、という意気込みを
いい意味で裏切られる作品です。
またひとつ新たな発見をさせてもらいました。


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