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まどか

Author:まどか
主にミステリーが好きで色々読んでいます。特に好きな作家は東野圭吾、横山秀夫、奥田英朗、伊坂幸太郎です。

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訪問ありがとうございます。 読んだ本の感想を随時アップしていきます。ミステリー以外のものについてはネタバレしているものもあります。記事の冒頭に記入しているのでご注意ください。 気軽にコメントいただけると嬉しいです。
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「無理」 奥田英朗
2010.03.07 Sun 14:41
無理

評価:☆4

夢も希望もない地方都市で起きる悲劇

「邪魔」「最悪」に続く群像劇。
地方都市に住む5人の何の接点もない人達の暮らしを
客観的視点から淡々と描いている。

夢も希望もない田舎の町の閉塞感には息苦さを感じるし、
出来るならば目を背けたい、知りたくないと思う。
が、それらをスイスイと読ませてしまうのが奥田さんの凄さで、
彼らの生き様や社会問題について読みながら放っておけない気持ちになり、
自分に無関係で無縁な話だとは思えなくなってくるのだ。

しかし、登場人物達が本当にラストでしか交わらない部分が、
ちょっと物足りなく感じた。
それぞれのエピソードはじゅうぶん読みごたえがあるのだが、
ひたすら描写に徹した作品であるからこそ大きな起伏がない。
なのであまり一般ウケはしない作品かもしれない。

「オリンピックの身代金」そしてこの「無理」と渾身の長編が続いたので、
次はもう少し肩の力を抜いて読めるような作品も期待したいと思う。


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2010.03.07 Sun 14:05
オリンピックの身代金

評価:☆4.5

渾身の本格社会派サスペンス長編

東京オリンピックに沸く60年代の"光"と"陰"にスポットを当て、
当時の理不尽な格差社会を如実に描き出した本格社会派サスペンス。
まるでその時代へとタイムスリップしたかのように物語に入り込め、
何も知らないその当時のことに自分も主人公と共に怒ったり、疑問を感じたり、
色々な感情を抱きながらも最後はテロを成功させて欲しいと願って読んだ。

実際に東京オリンピックが開催されているということは結末はもう分かっているわけで、
そういう意味ではオチを楽しみに読む作品ではない。
主人公の企みが成功するか否かよりも、
彼がそのような考えに至った背景に描かれる物語が訴えるものにこそ、
この作品で奥田さんが描きたかったことだろうと思う。

繁栄の陰には必ず犠牲がある。
東京は潤っていても、取り残された地方では貧困にあえぐ人間もいる。
オリンピックを開催し世界への体面を保つよりも、
もっと先にやるべきことがあるはずだと考える者達の無念さが痛いほど伝わってきた。
そして、それらの問題は決して過去のものではなく、
現代にも通じるものがあるからこそとても切実なものに感じた。

奥田さんの作品にま毎度色々なことを考えさせられ、そして勉強させられる。
とにかく長いが、読んで絶対に損はない作品。
お勧めします。



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「家日和」 奥田英朗
2009.09.24 Thu 15:20
家日和

評価:☆4

夫婦の日常の一コマを面白く、そして爽やかに

「マドンナ」や「ガール」のような雰囲気で書かれている作品。
夫婦をテーマに夫が主人公だったり、妻が主人公だったり、
色々な角度からそれぞれの本音を奥田流にサラっと爽やかに書いた短編集です。

馴れ合いの日常から生じるほんのちょっとした心の隙間、
または誰にでもきっとあるであろう"出来心"。
この作品に出てくるネットオークションにはまる妻も、
ロハスに夢中になる妻の滑稽さを小説に書いた夫も、
誰だって時には自分の欲望のままに突っ走りたくなる瞬間があるはず。
でも、なかなか最後までやりきれないのは、
夫であり、妻である自分の立場を思い出してしまうから。

そういう結婚の"不便さ"も軽くサラっと書きながら、
最終的には落ち着くところに落ち着いて、
「まぁいっか、これで」という風に物語をしめているのがやっぱりうまい。
夫婦なんてそう簡単に離れられない運命共同体だから、
ああだこうだと言ったって、結局は互いの存在の大きさの前に屈してしまう。
最後はホロリ、苦笑い。

その書き方が押し付けがましくなくて、かつ説教くさくもなく、
「あぁ、こういうのあるある。分かるなぁ」と思わせられるから、
やっぱり奥田さん好きだなぁ・・・・とあらためて感じました。
最後の「妻と玄米御飯」はご自身がユーモア小説を書くための心得なのかな?
と思われることもチラっと書かれてあって興味深かったです。



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2009.09.07 Mon 15:33
町長選挙

評価:☆4.5

ネタバレしてるので注意!

大好きな奥田さんのトンデモ精神科医・伊良部シリーズ3作目、待望の文庫化。
これまでと違い、4編のうち3編がある著名人をモデルにして書かれたもので、
(読めば必ず誰だか分かります)
彼らのキャラが強すぎて、少々伊良部先生の存在感が薄くなっています。
が、大物相手でもとことんマイペースを貫く姿はやはり相変わらず。
好き放題やらかしてくれますが、前2作と違い、今回は・・・・泣かされました。

私が一番好きなのは「オーナー」。
マスコミ恐怖症になった主人公の”ナベマン”が伊良部の車で高速を暴走し、
東京の夜景をバックに戦後の日本を建て直した自分達の世代の努力と誇りに思いを馳せ、
そして若き日々の遠い記憶を回想し、
「時代は変わった、年寄りの出る幕はもうない」と全てを終わりにしようと決心するシーン。

この流れがめちゃくちゃ切なくて、でもものすごくきれいで潔くて。
そして何かとても大事なメッセージが書かれてある気がして、
何度も何度も読み返してしまいました。

時代は変わっても受け継いでいかねばならないものだってあるはずなのに、
私たち若い世代はそれを忘れ、年配者への感謝や敬意を持つこともせず、
ただ贅沢の塊になったこの国で好き勝手生きている。

時代の移り変わりとともに柔軟な考え方も必要だけど、
ナベマンは最後の最後まで自分の誇りを捨てずに貫いた。
そして伊良部が提案した”生前葬”での首相のスピーチを読みながら、
もう涙が止まりませんでした。


大物を主人公にし、一歩書き方を間違えればただの嫌味になりかねないのに。
それをこんなにも愛情と人情たっぷりに、
メッセージ性のある物語へ仕上げてくれる奥田さんは改めてすごい!
フィクションだと分かっていながら、私、”ナベマン”に対する見方が変わりました。

他の3つも勿論面白いのでお勧め。



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2009.06.01 Mon 17:56
東京物語

評価:☆4.5

感慨に浸りながらじっくり読みたい青春グラフィティー

70年終わり~80年代の東京で20代を駆け抜けた一人の青年の物語。
6つの章それぞれが鮮やかに切り抜いた青春の1ページに、
懐かしさ、後悔、寂しさ、感謝、色々な感情が交錯して、
じーんと胸が熱くなる、とても感慨深い作品になっています。

例えば主人公・久雄が高校を卒業して上京するエピソードでは、
自分の当時を思い出し、送り出す家族の気持ちを重ね合わせ、
「あの時なんでもっと感謝しなかったんだろう」と後悔したり、
しかし一人暮らしに胸を躍らせる久雄の気持ちもすごく同感出来たり。

就職し、部下が出来て天狗になった久雄に試練が訪れるシーンでは、
クライアントが「いい気になるな」と彼を諭す言葉のひとつひとつに、
「あぁ、どういう状況でもこういう気持ちで生きていかないとな」
と改めて感じさせられたり。

奥田さんの作品はどれもそうですが、
「これはノートに書き写してとっておきたい」という文章が必ず出てきます。
人の心、本性をとてもうまく言い当てていて、
それでいて嫌味や説教くささが全くないから、本当に感動してしまう。
そんな、人生の勉強になる小説ばかりです。

この作品の久雄は、おそらく半分は奥田さんご自身の姿なのでしょう。
途中から「自伝っぽいのかな?」と思って読んでいたのですが、
読み終わって色々なレビューを見せていただいたら、
生まれた年や辿った経歴を見て殆どのファンは確信してました。
(あとがきにもありましたが・・・)

最後の章、ちょうど久雄が30歳を迎える直前で物語は幕を閉じるのですが、
その複雑な心境が今の自分の心にグっときて、感慨も一入です。
それぞれのエピソードの背景に当時の社会的な出来事も描かれていて、
70年~80年代に青春を生きた方なら更に楽しめる作品だと思います。
是非一人の夜にしみじみと、読んでみてください。



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「邪魔」 奥田英朗
2009.05.30 Sat 18:45
邪魔 上邪魔 した

評価:☆4.5

疑惑、確信、絶望・・・奈落に落ちてゆく主婦のリアリティー

奥田英朗=伊良部先生のイメージが強烈なのですが、
「最悪」「邪魔」のミステリー2作も実はとても面白いです。
(「最悪」のレビューはまだアップしておりませんが・・・)

平凡な主婦が第三者に人生を狂わされる話なのですが、
読みながら桐野夏生さんの「OUT」(文庫上下巻)を思い出しました。
ただ、あれほどまでに底辺の底辺まで落ちてしまった女性達の話ではなく、
この作品はあくまで「夫の犯罪によって苦しむ主婦の話」。
彼女の気持ちが疑惑から確信へ、そして絶望、開き直り、と変化してゆく様が
ものすごくリアリティーがあってぐいぐい引き込まれました。

「ガール」や「マドンナ」でも実感しましたが、
奥田さんは生身の人間の感情を描くのが本当に上手い。
小説の中の出来事がなんだか他人事ではないような気持ちになるのです。
この主婦はもしかしたら隣人や友人の姿かもしれないし、
または自分の姿かもしれない。
身内が犯罪を犯すことは容易には想像はつきませんが、
家族という”運命共同体”の中でたった一人の過ちが全員の人生を狂わせ、
それによって自分に降りかかる災難、そして転落の様を考えるとゾっとします。

ただ、堪忍袋の緒が切れてしまった人間が突然プツっと自棄を起こす姿が、
ちょっとパターン化してるかな・・・という感じもしました。
まぁ、殆どの奥田作品を読んでいるからこその感想なのですけど。
「ああ、またそっちの方向か」、と思わないでもありません。
しかし、最後まで飽きずに一気に読まされた筆力には感服。
個人的には「最悪」よりも好きな作品になりました。
お勧めです。




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2009.02.13 Fri 22:11
サウスバンド 上サウスバンド 下

評価:4_20090213120742.gif

平凡な日常に夢を見させてくれる

元過激派の父を持つ一家の波乱万丈な人生を、
小学校6年生の長男の視点から描いた傑作長編小説。

奥田さんらしくおもしろおかしく笑える作品を想像して読み始めたのですが、
これはまたなかなか新しく、いい意味で期待を裏切られました。
つまり、ユーモア小説でもなければ単なる青春小説とも言いがたく、
更に上巻・下巻で展開が180度ガラリと変わるのもまた面白い。

上巻は長男のスクールライフを中心に東京での一家の生活を生き生きと、
そして下巻は沖縄・西表島での人情味溢れる超スローライフな物語をのびのびと、
それぞれ異なる趣の文化を背景に楽しく読ませてくれるのです。
また、出会いと別れ、そして新しい土地での発見を糧に、
長男の価値観や父親への見方が少しづつ変化してゆくのも見所。
この辺がやっぱり奥田さんは上手い。

元左翼の父親の物語・・・と言うと何らかの政治的メッセージがあるのかと
敬遠してしまう方もいるかもしれませんが、
主題はあくまでアナーキストな父親を通しての長男(一家)の成長、
そして豊潤な現代社会に忘れかけていたものを思い出させてくれる点にあって、
決して読みにくい作品ではないので心配いりません。

そう、父の人とは外れた言動は平凡な日常に「夢」を見させてくれ、
理想と現実の狭間で悶々とする気持ちをスカっと晴らしてくれる。
つまり、つかの間の別世界へのトリップを楽しませてくれる、そんな作品なのです。



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「ガール」 奥田英朗
2009.01.27 Tue 19:44
ガール

評価:5.gif

「女の人生、半分はブルーだよ」

「マドンナ」を読んで以来ずっとこっちも読みたくて仕方なかったので、
文庫化させるのを今か今かと待ちわびていました。

30台の働く女性を主人公にした5つの短編集。
奥田さんは男性なのに、どうしてこんなにも女性のことが分かるの?
と思わず唸ってしまうほど、様々な場面においての女心の複雑な機微を
決して深刻にではなく、さらりと書いてのけています。

登場する女性たちは皆明るくて、前向きで、カッコよく、それでいて嫌味がない。
女性作家が書くとこうはならないよなぁ、とつくづく思うのです。

 立場は違っても、女同士は合わせ鏡だ。
 自分が彼女だったかもしれないし、彼女が自分だったかもしれない。
 そう思えば、やさしくなれる。

 (「ワーキング・マザー」より)

この部分が特に気に入っています。
専業主婦だったり、独身のキャリアウーマンだったり、シングルマザーだったり、
女性の生き方は様々ですが、それぞれに良さがあり、そして不便さがある。
どんな道を選んでも結局ブルーで、他人がうらやましくて、
あの時ああすれば・・・と、どうにもならないことを悔やんでる。

3年後、5年後、または10年後にどう生きているか分からないけれど、
今と同じく「これでいいのさ」と思っていれたらいいなぁと思う。
そういう気持ちにさせてくれる爽やかな1冊です。
とにかくお勧め!



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2008.12.26 Fri 19:55
延長戦に入りました

評価:エッセイなのでなし

奥田流・ユーモア小説の原点

奥田さんが作家デビューする以前に雑誌に掲載していた
スポーツエッセイ34篇をまとめたもの。
あまり知られていない作品だと思いますが、めちゃくちゃ面白いです。

あとがきにあるように、あらゆるスポーツに「茶々を入れている」爆笑本。
「冗談です」と何度も出てきますが、その着眼点のユニークさに脱帽します。
いくつか紹介すると、

・「ア」と「イ」で始まる名字の選手はトップバッターに適している
・小学生のときの50メートル走のタイムで性格診断ができる
・沢村賞の由来となる「伝説」は実は怪しい

さぁ、なぜでしょう?知りたい方は読んでください。

つい「変わった見方」でスポーツを見てしまう、とも奥田さんは仰ってますが、
他人とは違ったところに目をつけてそこから話のネタを拾ってこれる、
そういうセンスが後の「イン・ザ・プール」から始まる伊良部シリーズにも
生かされていることは言うまでもないでしょう。
スポーツファン、奥田さんファン、共に必見です。




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2008.12.24 Wed 17:56
空中ブランコ 2

評価:☆5

一度は通ってみたいはちゃめちゃな精神外科

何度も読み返してしまう大好きな作品、今更ですがレビュー書きます。

これはもう、文句なしの面白さとしか紹介が出来ないです。
「イン・ザ・プール」に続くトンデモ精神科医・伊良部シリーズ第二弾、
そして第131回直木賞受賞作。

ここに登場する5人の患者達、それぞれが違った悩みを持っていますが、
その根本の部分には「ああ、それわかる!」というのが必ずひとつはあります。
伊良部の見出したむちゃくちゃな解決法に笑わされ、翻弄されながらも、
最後は「そうか、なるほどな」とじんわり感動してしまう。

思い通りにいかなくなった時、人は必死になってもがくけれど、
その原因は思ったよりもずっとシンプルで、
気が付けば「ああ、こんなことだったのか」と思うほど簡単なことだったりする。
それを的確に見つけ、体当たりで解決へ導く伊良部はやっぱりすごい。


とにかく騙されたと思って、一度通ってみてください。
"治療"を終えて伊良部総合病院神経科から我が家に帰るとき、
きっとあなたの心もどこかスっと軽くなったような感じを受けるでしょう。




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