2008.04.18 Fri 10:44

評価:

すごい、すごいと聞いてはいたものの、
本当にすごかった。とにかくすごい作品。
ドラマも見ていなかったし、
ほとんど先入観なしで読んだのですが、それが正解だったと思います。
これほど一般的に良いと評価されている作品なので、
「秘密」のような感動の名作だと想像していたのですが、
その対極に位置するような衝撃の1冊です。
大阪で起きたとある殺人事件から物語は幕を開けるのですが、
三人称で淡々と語られるストーリー、次々と入れ替わる登場人物。
何が起きているのか、何に動かされているのか、全く掴めない。
しかし考える間を与えられない緊張感と緊迫感、
続きが知りたくてどんどん読んでいくうちにようやく、
全体像がぼんやりと見えてくる。
まったく、大胆で巧妙です。
そして何よりもすごいのが、
主人公の心情が一切描かれておらず、
彼らと関わる第三の人物によって客観的に表現されているということ。
なので読み手は想像力を働かせるしかないのです。
ものすごく評価に困るのですが、
多くの方がそうしているように、私も星は5つつけさせてもらいます。
というよりも、東野ファンであって、それ以外の評価は出来ないです。
そういう作品です。
これ以上はネタバレなしはきついので、
既読の方は続きを。

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