2009.03.04 Wed 13:16

軽く読める本格ミステリー
評価:

犯人が主人公の倒叙ミステリー。
序章がいきなり犯行シーンで、しかし動機だけが分からないまま、
そこでいったんシャッターが下ろされて第一章が幕を開ける―という、
あの人気ドラマ「古畑任三郎」のような構成になっています。
犯人と相対する「探偵役」には彼の後輩のとてつもなく頭が切れる女性が登場し、
他の登場人物の誰もが気づかない「密室殺人の謎」に挑みます。
絶対に悟られたくない犯人と真実に徐々に近づいてゆく彼女の攻防は、
なかなかの神経戦で面白い・・・はずなのですが・・・、
本来なら緊迫の場面なのに、何かが足りないと言うか。
ドキドキしない、煽られない、感情移入出来ない、
残念ながらどうにも最後まで傍観者にしかなれませんでした。
犯人も後輩の彼女も妙に「出来すぎ」で、
人間味が感じられないのが大きな原因だったと思います。
そういう要素を抜きにしてただミステリーを楽しむという意味では
そこそこに面白い作品なのかもしれませんが・・・。
もっとドロドロした、人間の「悪」の部分が出た作品が好きな私には、
なんだかちょっと味気なく感じてしまいました。
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